以前、相続手続きは出来るだけ自分でする事をお勧めしました。
とはいえ、相続手続きは面倒な部分もあるので、自分で進めたくてもよくわからない事が多いと思います。
そこで、数回に分けて相続手続きについての解説をしていこうと思います。
出来るだけわかりやすく、順序立てて説明していきたいと思っていますので、お役に立てれば幸いです。
急ぎで確認する必要のある事柄
まずは期限が早いので真っ先に確認していくべきことからお伝えしていきます。
7日以内(可能な限り最短で!)
死亡届と死亡診断書
死亡を知った際はすぐに死亡診断書をもらってください。
ほとんどの場合、死亡直前には医療関係者が関わっていると思いますので、請求しなくても貰えるとは思いますが、そうではない場合。例えば、自宅で孤独死だったなどの場合は別途手続きが必要なこともあります。
いずれにせよ、死亡診断書がなければ何も進められませんので、それだけは念頭においておいてください。
死亡診断書と死亡届は1枚になっていますので、先に、医師から診断書部分を記載してもらい、その後、届出部分の記載をします。その後、役所に提出することになりますが、原本は返却されませんので、提出前にコピーを取っておきましょう。また、この手続きは葬儀屋が代行してくれる場合もありますので、不安な方は相談してみるとよいと思います。
会社等への連絡
死亡診断書を書いてもらっている間に、故人が会社勤めをされていたり、働いていた場合は職場に連絡をいれてください。職場でも故人の退職手続きなどが必要になる為、礼儀の一つとして覚えておきましょう。
火葬・埋葬許可、戸籍関連の手続き
死亡届を提出すると、火葬許可が発行されます。
それが無いと火葬する事ができません。
火葬許可は火葬が終わった後は埋葬許可証になりますので、最後まで大切に保管してください。
また、死亡届を提出する事で、役所では住民票の抹消や、戸籍からの除籍手続きなどが進行します。
ここからが多様な手続きの始まり…
実際は火葬までは病院や葬儀屋との連携の中で進みますので、理解出来ていなくても何とかなります。
問題はこのあと。
亡くなられた方それぞれによって手続きがあったり、無かったりと様々です。
~14日以内に!(一部は10日以内)
さて、無事に葬儀が終わったとして、その後はどうしたら良いか、ここからは状況に応じて変わってきますので、必要に応じて参考にしてください。
年金受給停止手続き
年金を受給されている方だった場合は、その種類に応じて受給停止手続きが必要です。
厚生年金(共済年金)の受給権者:死亡後10日以内
国民年金受給権者:14日以内
いずれの場合も年金事務所へ提出すれば良いですが、専用の届出用紙の他、死亡診断書なども必要になりますので、先ずは窓口へ相談される事をお勧めします。
健康保険証の返却
国民健康保険に加入している場合は、市区町村などの保険者に保険証を返却しなければなりません。
また、職場の保険証の場合は、職場に連絡してください。事業者側で手続きすることになりますので、必要な指示に従うことになります。
介護保険の資格喪失届
介護保険の資格も喪失しますので、資格喪失届を市区町村などへ提出が必要です。
公共料金の名義変更、解約手続
故人の名義で契約している物があれば、名義変更や解約手続が必要になります。
電気、ガス、水道などの家族で使用している公共料金の場合は名義変更、携帯電話など、個人的に使用していた物については解約手続をすることになります。
必要な書類は契約会社によって異なる場合がありますので、まずは契約先へ死亡報告もかねて問い合わせしてください。
世帯主変更届
亡くなられた方が世帯主であった場合、世帯主変更届の提出が必要です。
新しく世帯主になる方は15歳以上であれば誰でも大丈夫です。
提出先は戸籍地の市区町村になり、届出用紙は役所でもらうことになります。
金融機関への連絡
金融機関への連絡は最初の最大注意点です。
まず覚えておく必要があるのは、金融機関に連絡すると、直ちに口座が凍結されてしまいます。
相続内容に基づき口座の解約もしくは名義変更をするまで入金も出金も出来なくなります。
また、凍結される前に全て出金しておく事も基本的にはNGです。
相続協議の際にトラブル発生の原因になる可能性もあり、それ以上に、相続放棄が出来なくなる危険性があります。
詳しくは放棄の説明の際にと思いますが、相続放棄できなくなる事は場合によっては重大な問題になる可能性がありますので、十分に注意してください。
また、口座凍結される前に、必ずその口座の通帳記帳を行っておいてください。
ここまでのまとめ
死亡後、14日以内に終わらせる手続きについてご紹介してきましたが、期間が短いこともあり、中々大変です。
しかも、状況によっては他にも細かな手続きが必要な場合もあります。
流石に、「これは急に対応するには難易度が高すぎる」と感じることと思います。
とは言え、期限を過ぎたら手続きが出来ないとか、罰則がある訳でもありませんので、そこは安心してください。
そして、実のところ、ほとんどが役所で完結できるもので、多くの場合は共通する手続きでもある為、役所も対応できる体制を構築してくれている事が多いのです。
ここまでの手続きは、これ以降の負担を軽減する意味でも、先ずはお住いの地域の役所へご相談いただく事をお勧めします。市区町村によっては「お悔やみコーナー」や専用のパンフレットを準備していますので、それぞれの状況に合わせて必要な手続きや、その場で入手できる書類についても一式で揃えてもらえる場合もあります。
さて、今回は特に急ぐ部分について紹介しました。
中々に大変な手続きが多いですが、落ち着いて取り組めば、一つ一つは難しい訳ではありません。
事前に知識を持っていれば、役所をうまく活用する事でスムーズに進めることができると思いますので、差し迫った状況にはなくても、準備しておく事を心がけておいてください。
ではまた!
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