身体障害者補助犬法とは?

身体障害者補助犬法という法律をご存じでしょうか?
この法律、平成15年に全面施行された法律ですが、今もあまり浸透していないように感じています。
ですので、今回はこの法律について概要を説明しようと思います。
補助犬にお世話になっている方も公共機関、民間事業の方もそれぞれが正しく理解して助け合えるようになる一助になれば幸いです。

目次

補助犬とは?

補助犬とは今のところは次の3種とされています。

盲導犬

まずは盲導犬。
これは補助犬の中でも馴染みがある方が多いと思いますが、目の不自由な方を補助してくれる犬です。
かなり前に(数十年前?)盲導犬を題材にしたドラマがあった気がしますが、それもあってか盲導犬の言葉そのものも知名度があります。

介助犬

次に介助犬。
名称の影響で補助犬と混同されがちですが、補助犬という大枠の中の介助犬というのが正しい認識で、肢体の不自由な方のサポートをしてくれます。
具体的には落とした物を拾ってくれたり、物を取って来てくれたりしてくれますので、足の不自由な方、車椅子での移動が多い方は身近な存在かも知れません。

聴導犬

そして聴導犬。
名前からして何となく察してしまいますが、普段から馴染みのある呼び名というわけではないと思います。
聴導犬は耳の不自由な方のサポートをしてくれます。
具体的には呼び鈴がなった時、赤ちゃんが泣いている時など音によって判断できないご主人に何らかの方法で伝えてくれます。

補助犬はとっても賢い!

さて、補助犬の種類とサポート内容を知れば誰でもわかるように、補助犬はとっても賢いです。
正直、サポート内容や忠実な仕事ぶりを考えれば人間よりも優れているとも思えます。
(これらのサポート能力を言葉もなしに躾けることが出来る訓練士さんにも脱帽ですが。)
そして優れているのはサポート能力だけではありません。
それぞれサポート中、つまりお仕事中は非常に大人しく勤勉で、一般的に周囲に迷惑をかけるような行為はありません。

補助犬の犬種

補助犬は、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなどの大人しくて大きな犬種が多いですが、これは盲導犬、聴導犬が人間を動かせる力が必要な為だと思われます。
逆に、室内で小回りが利く方が都合がいい介助犬にはプードルなども活躍しているようです。

衛生面からみた補助犬

さて、補助犬が大人しくて賢い事はわかったとしても衛生面はどうでしょうか。特に飲食店や医療機関の場合は反射的に身構えてしまうのではないかと思います。
補助犬のサポートを受けている方や、補助犬のサポーターの方にとっては言われるまでもなく衛生面に万全を期していますので、これは正に、周囲の方の理解が最大限に必要な部分です。
毛が抜けて辺りに散ってしまわないように、動物特有の体臭で周囲に不快感を与えないように、不用意に排便をしないように、補助犬のサポーターの方、補助してもらっている方、そして何より補助犬の努力によって、衛生面についても日々、ケアされていますので、心配はいりません。

身体障害者補助犬法

以上の事を踏まえて、この補助犬法の最重要項目について確認していきます。
受け入れ義務も努力義務も違反に対しての罰則はありませんし、やむを得ない理由がある場合には受け入れ拒否は認められています。

受け入れ義務

不特定多数の人が出入りする民間施設などは、補助犬同伴の受入れが義務化されています。
これは公民関わらずで、例えば役所であったり、バスや電車の交通機関、医療機関や飲食店など様々です。
現在は罰則までは設けられていませんので、違反したからと言って何かある訳ではありませんが、特別な理由がない限りはしっかりと対応して欲しいと思います。

受け入れ努力義務

そして、マンションやアパートなどの民間企業では受け入れ努力義務とされています。
こちらの場合も義務同様、罰則はありませんし、努力義務だからと言って蔑ろにしないよう、特別な理由がない限りは対応して欲しいと思います。

補助犬はペットではない

補助犬はペットではありません。
受け入れ側とペットを飼っている方は特にこの点に注意してください。
補助犬はペットと違い専門の訓練を受けていて、サポートしている時は仕事をしているのです。
ですので、補助犬を受け入れているからと言って、その医療機関や飲食店がペット同伴でも良いという訳ではありませんし、補助犬をペットと同一視して避難しないようにしてください。
また、いくら訓練されているからと言っても、下手に刺激すれば問題行動を起こす可能性もあります。
勝手に餌をあげたり触ったりしないようにしてください。
過度なストレスで感情的になってしまうのは人間でも犬でも同じです。

ペットとの見分け方

補助犬は管理団体によって登録されており、その使用者は補助犬のハーネスなどに外部からも明確にそれと判断できるようになっていますので、ペットと見分けることは容易です。意図的にペットを補助犬と偽って同伴するようなことはしないようにしてください。

お互いに相手を尊重して思いやりのある社会へ

補助犬について解説してきましたが、補助犬のサポートを受ける方は「受け入れてもらっている」という感謝を、受け入れる側はその方の障害についての理解を、ペットを飼っている方はペットとの違いにしっかりとした認識を、それぞれ意識していくことで、補助犬自身が安心してお勤めできる環境が一般化すればよいなと思っています。
私は障害を持つ方、受け入れる方、ペットを飼っている方、それぞれ立場や考えはあると思いますが、はい、私は犬の味方です(笑)
と、冗談(本気ですが)は置いておいて、補助犬がいるから周囲のサポートが不要という訳ではありません。補助犬も万能ではありませんので、相手が困っていたらそっと手を差し伸べて欲しいと思いますし、もしかしたら補助犬があなたを危険から守ってくれることもあるかも知れません。
今回のお話は拡大解釈すれば今後の社会福祉とも無関係ではなくなってくる可能性もありますし、もしも犬が怖いと感じる方がいたならば、しっかりと訓練された補助犬を通して犬全般のかわいらしさに触れてみてください(笑)

他にも色々と書きたいことは尽きませんが、大幅に脱線しそうですし、切りがないので今回はここで終わります。
補助犬だから絶対にトラブルが起こらない、と言い切れる訳でもないので、また機会があればもう少し掘り下げて法律的なことも見ていきたいと思います。

ではまた!

ブログ村参加中!

ブログ村参加中!応援よろしく(^^
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村

コメント

コメントする

目次